シールド工法
工法の概要
シールド工法とは、地盤中にトンネルを構築する工法で、「シールド」と呼ばれるトンネル掘削機を地中に掘進させ、土砂の崩壊を防ぎながらその内部で安全に掘削作業、覆工作業を行いトンネルを築造していく工法です。 φ1350mm以上の管径で長距離を施工(500m~1500m)するときに有利である。 但し設備も大きく、マシンはその都度製作する必要があります。セグメントを建込み、内に型枠を組み、コンクリートを打設して内面仕上げをします。 下水道管を埋める深さは地下約5m以上、大きさは外径で約2m以上になります。 1kmのトンネルを造るための工事には、およそ3年かかります。 1と2の作業を交互に行いながらトンネルを造っていきます。- シールドはセグメントを反力にしてジャッキで前に進みます。
- シールドが前に進んだ後で、セグメントを新たに組み立てます。
工法手順
- 泥土に変換します。カッタで切削した土砂に作泥土材を注入し、それを練り混ぜ翼で強力に練り混ぜて、塑性流動性と不透水性を持つ泥土に変換します。
- 泥土により切羽の安定を図ります。泥土を作泥土室とスクリューコンベア内に充満させ、シールドジャッキの推力により泥土圧を発生させ、この圧力で地下水圧と土圧に対抗し切羽の安定を図ります。
- 泥土圧により掘進管理します。隔壁に取り付けた土圧計により泥土圧を常時測定し、圧力が「泥土圧=土圧(静止土圧)+水圧」となるように掘進速度とスクリューコンベアの回転速度を制御することにより、掘進を管理します。
工法の特徴
- 広範囲の土質に適応性があります。砂層、砂礫層、シルト粘土層、シラス層およびこれらの互層に対しても作泥土材を用いることにより、塑性流動性と不透水性を有する泥土に変換できるので多種多様な土質に広く適用できます。
- 沈下を最小限に抑えられます。切羽は泥土によって保持するため地山の変化はほとんどなく、地表面の沈下を最小限に抑えることができます。
- 同時裏込注入が可能です。シールド外周部および作泥土室内は泥土で止水されているため裏込注入材の切羽への回り込みがなく、確実な同時裏込注入が可能です。
- 大深度・高水圧下にも適応できます。最大水圧7kgf/cm2を作用させた掘進実験により、高水圧下での掘進性能を確認しており、深度50m以上の大深度地下にも適応できます。
泥濃式推進工法
工法の概要
泥濃式推進工法は、推進機の先端に高濃度泥水を圧送し、切羽の安定を図りながらカッターを回転させて推進し、真空ポンプにより排土を行う工法です。- 施工条件ヘッド交換によりあらゆる土質に対応します。
- 管種・管径推進用ヒューム管、φ700mm~φ3000mm
- 推進延長推進距離は標準で1スパン100m~300m程度可能であるが、500m以上の長距離推進も可能。曲線施工もできる。
工法の特徴
- オーバーカットの採用超泥水加圧推進工法(以下超泥水工法と呼称省略)は、最小限のオーバーカットを採用することにより、推進力の低減を図り長距離推進やカーブ推進への適応性を高めています。当初は、オーバーカットによる地盤への影響が懸念され、また施工後の後続沈下等不安定要素を抱かれる面を多々ありましたが、今日にいたる施工実績から、オーバーカットを最小限に留めることによって十分にそのマイナス要素を超泥水の造壁効果により補い地盤を緩めることなく、他工法と比較しても遜色のない安定した成果を収めています。
- 超泥水とは超泥水とは、地上プラントからマシンカッター先端部に圧送された安定液(泥水)と、掘削土砂を混合攪拌した高濃度、高粘性、高比重の液状態をいいます。超泥水とは、スポーク型(十文字)カッターと隔壁で挟まれた攪拌室内で生成され充満されていますから、常に切羽と密着した状態にあり、掘削圧と送泥圧による加圧作用によって地山へ強固な泥膜を作ります。この際、超泥水の性状が造壁効果を遺憾無く発揮します。
- テールボイドの安定オーバーカットされた余掘部には、切羽部(攪拌室)の超泥水圧が伝播されます。切羽から連続して、充満、加圧されることから、造壁効果は維持され、テールボイドは安定します。
- 低推進力の実現超泥水により充満、加圧された中を推進される管体は、地山と直接接する部分が少ないため、摩擦抵抗力は大きく低減します。
- 急カーブ推進の実現安定液として超泥水を利用することによって造壁効果を高めた超泥水工法は、軟弱層から透水性の高い砂礫層まで広範囲の土質に対応できる工法と言えます。
- 玉石の搬出がスムーズ掘削土砂の搬出機構及び排泥の搬送方法に独自の方法を採用してます。掘進機隔壁から機内後方の排泥槽内に、エアー式のバルブ(排泥バルブ)を会したラインを設け、切羽圧と大気圧の圧力差により掘削土砂(超泥水)を搬出します。礫は丸出し方式で、スムーズな排泥が行われます。
- 管内にはいつも新鮮な空気が供給開放された機内排泥槽から~発進立坑~地上タンクまでの搬送に、真空発生装置による吸泥(吸気)方式を採用していますから、管内には発進立坑から常に新鮮な空気が供給され、循環換気がなされている状態です。
泥土圧式推進工法
工法の概要
泥土加圧推進工法は土圧式推進工法に分類される泥土圧推進工法の代表的な工法です。当工法は複雑な土質条件に対し幅広い適応性を持ち、小土被り、長距離、曲線推進などの難条件下においても切羽の安定性・安全性・経済性に優れた工法です。- あらゆる土質に対応しますヘッド交換により砂層、砂礫層、大礫、玉石層、シルト粘土層、シラス層等あらゆる土質に対応します。
- 管種・管径鉄筋コンクリート管、ダクタイル鋳鉄管等。呼び径φ800mmからφ3,000mmまで対応
- 推進延長最大約1,000m
工法の特徴
- 土質に対する広い適応性があります。砂層、砂礫層、シルト粘土層、シラス層およびこれらの互層に対しても作泥土材の濃度、使用量を適宜調整することにより塑性流動化と不透水性を持つ泥土に変換できるので、広い土質に対して適応性があります。 最大礫径:φ500mm程度の大礫層の推進工事に適応可能。
- 残土処理は簡単です。排出される残土は、ベルトコンベア・トロバケット・土砂圧送ポンプなどで搬送可能で、残土処理に大規模な処理設備を必要としません。
- 地山の沈下を最小限に抑えるため小土被り・近接施工に有利です。切羽は泥土により完全に抑えられるので、地山の変化はほとんどなく、地表面の沈下を最小限に抑えることができます。
- 補助工法を少なくできます。補助工法は、推進機の発進・到達部・急曲線部ならびに近接施工部等以外原則的に不要です。
- 立坑用地が小規模です。大規模なプラント設備が不要で、立坑用地を必要最小限で施工できます。このため都市部での施工に最適です。
- 曲線施工も可能です。曲線半径などに応じて推進機長や継手目開きを検討することで容易に曲線施工が可能です。
- 長距離推進が可能です。最大約1,000m以上の長距離推進が可能です。