資料提供:日本CLT協会

■ CLTとは

CLTは Cross Laminated Timber の略称で、ひき板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネルと、それを使った建築方法を示す用語です。

CLTは1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい木質構造用材料です。 現在では、オーストリアだけでなくヨーロッパ各国でも様々な建築物に利用されており、また、カナダやアメリカでも規格作りや実際の建物が建てられるなど、CLTの利用は近年になり各国で急速な伸びを見せています。

■ 環境に優しく高性能

成長した木材資源の活用 日本の森林は、木の成長量が利用量を大きく上回っており、成長量に見合った木材資源の有効な利用が求められています。 木材は太陽の光で育つ再生可能な材料です。CLT建物は従来の木造建築よりも多くの木材を使用するため、伐採期を迎えた森林資源を有効活用できます。 日本の木材使用料は成長量の約5分の1

成長量(億㎥/年) 利用量(億㎥/年)
スウェーデン 1 0.85
フィンランド 1 0.7
ドイツ 1.2 0.7
日本 1 0.2

優れた断熱性 木材はコンクリートに比べて10倍、鉄と比べると400倍以上もの高い断熱性能を持っています。 CLTは厚みを持った材料なので、夏は涼しく冬はあたたかい快適な室内環境を実現できます。 また、木材は燃える材料ですが、一度火がついても炭化層が形成され、CLTのような厚い材料だと内部までなかなか燃えていきません。

写真の実験では、下面の火がついている面は1200℃に達していますが、CLTの上側の温度は20℃です*2
木材は熱を伝えにくい
材  料 熱伝導率(W/m,k)
空 気 0.024
木 材 0.12
コンクリート 1.6
53
*1 熊崎実『木質エネルギービジネスの展望』、林野庁資料より作成
*2 Andrea Bernasconによる試験

■ 重厚な構造材

E-ディフェンス 兵庫耐震工学研究センターで行われた、実大振動台実験

面で支える構造 これまでの柱や梁などの木質構造材料とは異なり、大きな面として利用できる材料です。 分厚い材料全体で構造を支えて、構造的に安定した建物が建てられます。振動台実験による性能検証が行われましたが、阪神・淡路大震災を再現した揺れに対しても大きな損傷はなく、倒壊することもありませんでした。

■ 効率的で素早く建てられる

大型パネルで素早い加工 CLTを使った建物の施工現場 (弊社信楽本店)

大きな面材で部材点数が少なく、現場での施工が容易でスピーディーです。また、工場でパネル製造と加工がされるため、現場での騒音も廃棄物も少なくなります。

寸法安定性が高く扱いやすい 木材は繊維方向によって収縮率が異なる材料ですが、CLTは材料を直交積層することで互いの層が変形を抑え合い、通常の木材よりも寸法変化が少なくなります。
精度の高い加工により、施工性も高まります。

■ CLTを使った建物

ヨーロッパでは一般住宅から、中・大規模施設、6~10階建の集合住宅まで、様々な建物が建てられています。
 

 

建物名:G3 Shopping Resort Gerasdorf
場 所:オーストリア ウィーン


2012年にオープンした大規模ショッピングモール。環境性能の高さからCLTが採用されています。約6万㎡の建物の屋根材としてCLTが8,000㎥利用され、特徴的な起伏を生み出しています。

 

建物名:BMW Hotel Ammerwald
場 所:オーストリア ロイテ


2009年に竣工したBMWが経営するホテル。BMWの社員のための福利厚生施設として利用されるほか、一般の利用者も宿泊することができます。

 

 

 

 

建物名:Hallein高齢者施設
場 所:オーストリア ハライン


ザルツブルグから車で約30分のところにある5階建ての高齢者施設。CLTをユニット化して建設し、短い工期を実現しました。

 

建物名:Via Cenni
場 所:イタリア ミラノ


2013年に竣工した9階建ての公営集合住宅。4棟で計124戸からなり、1~9階まで全ての階の壁・床・天井にCLTが利用されています。